京和晒綿紗の最近の記事

晒(さらし)とは、綿布の紡績後、染色前の工程で、天然の綿花の持つ脂質や不純物や
糸にする際に添加されるサイジング糊という物質などを除去し、また天然の綿繊維が持つ
色素や匂いを取り除く工程です。精錬とも呼ばれています。

簡単に言えば、綿繊維の製品を普段の生活の中の繊維製品として使えるように
また、染色し易くするための染色工程のための前処理段階でもある工程です。

現在の晒は合理性と生産性を重視した洋晒と呼ばれる自動精錬という設備で、約40分から
80分程度という短時間で、テンション(張力)や熱、そして塩素系漂白剤などを付加しながら
繊維自体に大きなストレスを負荷しながら処理されます。その仕上げには、柔軟材や化学物質が
添加された状態で晒の最終工程を終えます。

この洋晒に対して、私どもの京和晒綿紗は、日本の昔ながらの、かつ今や希少な和晒という
方法で晒を行った綿紗(ガーゼ)を素材にしています。

和晒は和晒釜という大きな釜に織り上がった綿布の原反(げんたん)を、引っ張りも伸ばしもせず
そのままの状態で、丸4日間もかけて、じっくり綺麗にしてゆく工法です。

綿繊維の一本一本、奥まで処理ができるので様々な不純物をしっかりと取リ除くことができます。
また、綿繊維にストレスを与えない加工のため、繊維の1本1本の形状が壊れることがなく、
他のガーゼにはないふわっとソフトな風合のピュアコットンのガーゼをつくることが出来ます。

そして、綿に付いている色素や脂質、不純物を除去しピュアホワイトな状態にし、最後に極限まで
濾過(ろか)された、天然水で水洗いします。

ゆっくり乾燥させる仕上げでは、縫製段階で重ねる生地同士がすべらずに作業できるように、
体に優しい沖縄産の天然の澱粉糊以外には、柔軟材や化学染料など余分なものは一切添加していません。

和晒は、主に医療用の三角巾やガーゼの晒として用いられています。

天然のコットンが持っている本来の特徴を最大限に引き出し、
そして何よりも安全、安心である和晒した綿紗製品をお届けしております。

ご使用の状況や環境によって違いはありますが
コットン繊維本来の性質である経年や使用による色のくすみなどの変化は多少ございます。

蛍光増白剤入りの洗剤でのお洗濯をすれば、染めるという効果がありますので
色という観点から見ますと、作為的に見ためを白くすることは出来ますが
洗剤についての項に述べておりますように、決してお奨め出来るものではございません。

京和晒綿紗のガーゼ素材は、ポリエステル繊維、またはコットンの超長繊維でも
ありませんので、決してホコリは発生しないというものではございませんが
和晒により、繊維を傷めずに綿本来持っている繊維の強さを引き出しておりますので
他のガーゼ製品や綿製品と比較しましてもホコリの発生が少ないものです。

綿繊維は比較的、毛玉が発生し難い繊維ですが。あくまでも繊維という特性上
ご使用の状況や種々の条件が重なる場合には毛玉が発生することが考えれます。
定期的に、お洗濯をしていただくことで毛玉の発生を抑えることが出来ます。

京和晒綿紗は寝具・寝装品でも、パジャマなどのウェア類でも、お肌に触れていただく
ようにお使いいただくことがベストです。夏は、京和晒綿紗製品を直に1枚で
場は、身に触れるようにお召しいただいて、他のもので重ね着をしていただいて
使用いただきますと、優れた良さをご体感頂けます。

EX)5重ガーゼケットなら 
  夏場:1枚で通気性能でサラッとふわふわ/適度な保温性能で寝冷え防止
  冬場:透湿性の低い羽毛布団の内側で使用/保温性はそのままに、通気性向上で寝床内がムレ難い

京和晒綿紗は製品によって、2?7枚と綿紗(ガーゼ)を数枚重ねた仕様になっています。
この綿紗の間に確保できる、生地と生地の間が空気を含む、つまり空気層になります。
快適な寝具の条件は、この空気層の確保です。この空気層が暑い時期の通気性に
そして、寒い時期の保温性を向上させるものです。

素材には残留物のない和晒処理をしたガーゼ生地を使用しております。
つまり、染料などの化学的物質を一切含んでおりませんので
肌の敏感な乳幼児の方や、アトピー、化学物質に過敏な方にもご使用いただいておりますが
個人差もございますし、また製品の素材として綿織物を使用しております特性など
皮膚や肌に疾患のある方は、かかり付けのお医者様などにご相談の上ご考慮くださいませ。

シーズンのご使用が終了しましたら、お洗濯をしてしっかり自然乾燥をして頂いた後
出来ましたら、通気性の良い状態が維持できるように保管収納をして頂くのがベストです。
収納後の再度のご使用に際しましては、お干し頂くことをお奨め致します。

綿繊維、そして何よりも和晒という繊維にダメージを与えない状態を作り製品にして
おります。そして数枚重ねる仕様が、製品の耐久性の向上に繋がっていますので
他のガーゼ製品よりも耐久性が良いものになっております。

縫い合せなどの縫製部分に関しましては、製品により縫製の仕様及び技術の向上に
励んでおります。長持ちする製品づくりを心掛けております。

尚、京和晒綿紗は綿紗(ガーゼ)という生地表面の織りの特性上、突起物などには
引っ掛かり易い場合がございます。予め、ご留意くださいませ。

お洗濯後は、かたちを整えて頂きまして吊り干しにて自然乾燥がベストです。
京和晒綿紗には速乾性が高いという特徴がありますので、比較的短時間で乾きます。
午前10時?午後3時の間に、シーツなどの大きなものは片面づつ両面をお干しください
直射日光に当たる場合は、紫外線により色ヤケする場合があります。風通しの良い日陰で
乾燥して頂くことをお奨め致します。

また、雨天などの屋外で干すことが出来ない場合、速乾性が高いので室内でお干し頂き
ましても良いかと存じます。

アーカイブ