今日も自転車で通りを駆け抜ける

工業団地のような風景

ちょっと近道をするために
ある工場の敷地を通り抜ける

おっと、工場新設のためか
造成工事してる

それでも、一直線に突っ切る
こんもり盛り上がった盛土に駆け上がる

盛土のてっぺんまで来て判った

下りは上りのようなスロープではなく、
切り立った壁
前輪が向かうその先は、奈落の底

身体がふわっと浮いたかと思うと
幸いにも、非常に柔らかい土の上に
辛うじて横向きに倒れ込む

直に、起き上がり
工場棟の向うにある筈の表通りを目指す

工場棟は複雑に入り組んで
その間の通路は路地が迷路になったような状態、

迷いながら路地を進むと
偶然、アラキ工務店の社長にバッタリ出会う

聞くと、
工場敷地内にある古い京町家の改修をしているらしい

現場に来ないかと誘われ、お邪魔する

改修工事が終り、
今日はお披露目の席が設けられているらしい

土で汚れた、黒いジャケットを慌てて払う

お茶室で、着物が凛々しい女性から
お茶をいただき
数奇屋の離れで、懐石をよばれる

気付くと、荒木さんはいない
どこへ行ってしまったのか

町家の玄関をあとにして、自転車を押しながら
工場の門へ向かう

なぜか、小学校の下校合図のチャイムが鳴っている

そこで、目が覚めた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　大東寝具工業／大東利幸