想いは叶う 九櫻柔道衣 × tetra 誕生秘話
- 2024.08.19 (Mon)
- 日々
今から三十数年前のバブル経済崩壊。
前後して、日本人の暮らしの変化に伴い、和室の減少、つまり
畳の上での生活が一変するに従って、我々の手がけるお座布団の需要が激減。
一般家庭から和室が消える。
料亭や旅館、飲食業界では、お座布団から椅子や堀のスタイルへと変化した。
当時、山積していた事業課題に加えて、
お座布団というアイテムに替わる新製品づくりもテーマとなった。
言い換えれば、新しい座り心地や座り方を提案する必要があった。
あぁでもない。こうでもない。
色々試行錯誤して2004年に生まれたのがビーズクッションの"座・気まま"だ。
しかし、知的財産権に関する知識が一切なく、後々、今でも悔しい想いを一杯しているよ。
その替わりに、改良に改良を重ねて、差別化を強化して
2010年に "日本のソファ tetra" へと進化した。
この進化の過程で、日本で特有の織物生地をtetraのカバーリングにしようと考えて
岡山は児島のデニム素材をカバーリング素材にしたモデルをラインナップした。
「次は、是非、柔道着の生地を使ってみたい。」
こんな想いを色々な場や先々で話していると、ある織物屋さんと巡り会えた。
それも、日本代表選手が国際試合などで着用する公式柔道着の生地を織っておられる織物屋さんだ。
コラボレーションの話や条件の確認が進んだ。
しかし、そこには大きな壁が立ちはだかり、
日本代表公式柔道着 × tetra は、実現し得なかった。
諦められなかった想いの中、他に、国際的に認められた柔道衣を
生地から一貫生産を手がけられる世界で唯一の柔道衣メーカー、九櫻さんの存在を知った。
同じ関西の企業さんじゃないか!と前のめりになった。
しかし、アプローチを試みたものの、力及ばず。またもや一本には至らなかった。
TVで柔道を観戦する度にくすぶった思いが大きくなる。
それから十年。あるきっかけを通じて、九櫻さんと直接にご縁をいただくに至った。
オリンピックや国際試合で、選手の左上腕にSの刺繍が入った柔道衣。
その柔道衣に使用されている刺子生地を使わせていただくことになったのだ。
しなやかで強い。こだわりの柔道衣が故の素材の特質を独特な座り心地に再現できた。
思い返せば十数年。思い続けた想いは叶う。
カタチになったのが
柔剛一体となった座り心地をご体感ください。
大東寝具工業 大東利幸