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ねむりとくつろぎで、健康に。大東寝具工業
 

社長ブログ

夕方の一曲

ふと思い出した
Roberta Flack の

Feel Like Making Love

80年代、バイト先の喫茶店で、
夕方のお客さんが途切れた一瞬
咄嗟にターンテーブルにかけ替えたアルバムの1枚だ

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アルバイト先としては
スタッフ教育、そして全てが厳しかった喫茶店

チェーン展開をして、
全てが標準化されているような今様の店ではなく
創業は数人の若者が夢を抱いて集まって始めた1件の喫茶店
今で言や、ベンチャーだ

それが、繁盛店として有名になった頃にバイトする

働くということが
これほどまでに、大変で、辛く、厳しいものであるのか
そして、達成感ということを教えてくれた店である

文書化は一切されていないが
分刻み、秒刻みで頭と身体を動かさないといけないほどの
決まりごと、ルールなどのマニュアルが存在する上
メモをとることを許される時間など与えてもらえないほど
次から次と、仕事を指示される

例えば、食材の管理

冷蔵庫に常備するトマトの個数は
時間帯によって決まっているし
2階の食材庫に置いてあるトマトソースの缶詰なども
食材、調味料、それぞれ毎に常備在庫が決まっている

これはほんの一例だ
外灯を点ける、店内の掃除をする、エアコンの掃除をする、、
ありとあらゆる作業の行動指標が徹底的に決められている

記録はできない
全て、身体と頭で覚えていくしかなかった

しかし、間違いはするものだ
その間違いは二度までは許される

間違えを三度繰り返したときの叱責は
凄まじいの言葉では足りないほどだったかな

その上、あくまでもサービス業

お客様に、くつろいでいただくための接客、サービスを
臨機応変に、そして確実に提供をするのが第一優先

当時の時給は420円
仕事の内容と精神的プレッシャーから
バイト初日にしまったと思い
最後の給料をいただくときまで
こんなに金銭的に割の合わないバイトは無いと思ったが

直には辞めず、2年程お世話になり
ここで、身に付いたことは大きな資産になっている

今のご時世、こんな考えで働く人は、少ないだろうな

当時、この店のBGMはアナログのレコード

そして、アルバムをセレクトする
専任のスタッフの方がいた
つまり、ミュージック・ディレクターだ

その方のOKがないとアルバムの棚には入らないのだが
結構、好きなアルバムが並んでいた

でも、新人がターンテーブルにかける
アルバムの選択をすることは許されない

次は、棚の真ん中くらいにある
Astrud Gilberto かけろ ってな具合

季節、時間帯、天候、お客様、、
その上で選ばれたアルバムでなければいけないからだ
店員の都合では駄目なのだ

だから、お客さんが途切れた夕方の一瞬
次のピークに備えるポットの湯気の向うの先輩に目配せをして
アルバムのジャケットをちらっと見せる

またか、、他のやつには言うなよ
と囁きながら、時々OKをくれた、そんな中の1枚だ

Feel Like Making Love

黄昏時の静かな時間、旨いコーヒーと一緒に。

                       大東寝具工業/大東利幸
 

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